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横浜の林文子市長は、横浜にカジノを含むIR施設を誘致することにこれまで慎重な姿勢を装っていましたが、一転して「誘致」を発表しました。
この話が持ち上がった当時、市長は「誘致」方針だったのですが、市民からの反対意見が増えるにつれて、2年前の市長選挙の直前に「白紙」に戻しました。
そして自民党と公明党の推薦を受けて市長に再選された後、「誘致」方針を決定しました。
「裏切りではないか」との批判に対して「やらないと言った覚えはない」と開き直った発言をしましたが、これこそ「詭弁」です。
市民を欺いてまでして「IR誘致」を進めようとしていますが、人間として恥ずかしくないのでしょうか。
横浜市長がこういう卑怯な人だったとは信じがたいことですが、事実だから唖然とします。
僕は多くの仲間と横浜の風景画スケッチを楽しんでいますが、横浜には明治以降の近代建築や現代建築が美しい自然に溶け込むように配置された場所が多く気に入っています。
山下公園の方にもよく行きますが、計画では山下公園の近くの山下埠頭あたりにカジノ施設を作るようです。まだ具体的にどういう形、規模の施設になるのか想像できませんが、美しく落ち着いた街、横浜をラスベガスのような街にしてほしくないと思います。
これに関して横浜港湾協会長の藤木さんは「山下埠頭は我々の聖地だ。賭博場は作らせない」と言っています。
当初はこの発言を聞いて大いに期待したのですが、藤木さんは「山下埠頭にカジノを作ること」には反対ですが、「林市長は(可哀そうだから)リコールしない」と言っています。これがカジノ反対運動を分かりにくくしている要因の一つです。
林市長が誘致方針を撤回する見込みがなさそうなら、市民としては、林市長のリコール請求をして、市長をカジノ反対派に替わってもらい、撤回に追い込むしかありません。
いずれ野党の政治家の皆さん(立憲・国民フォーラムなど)が動き出すでしょうが、リコール請求で具体的に何をすればよいか、具体的に調べてみました。
横浜市の人口は 370 万人、有権者総数は 300 万人です。
地方自治法で「選挙権のあるもの(有権者)の 3分の1 以上(有権者総数が 40 万人を超えるときは、40 万を超える数の 6分の1 と 40 万の 3分の1 を合計した数以上、80 万を超えるときは、80 万 を超える数の 8分の1 と 40 万の 6分の1 と 40 万の 3分の1 を合計した数以上)の署名を集めて選挙管理委員会に請求できる」と決まっています。これが首長のリコール制度です。
ただし、「その首長の選挙から 1 年間は解職請求をすることができない」のですが、前回の選挙は 2 年前ですから、これは問題なしです。
それではリコールの署名集めは何人分必要かですが、
「80万を超えるときは、80万を超える数の8分の1と40万の6分の1と40万の3分の1を合計した数以上」で計算すると、必要数は 49 万人分、となります。
49 万人分とは結構な数字ですが、有権者の 6 人に 1 人の割合で署名をもらえばよいので、やりだせば何とかなるかもしれません。
僕は街頭で署名をもらう活動をした経験はないので、まずは仲間を増やすことから始めようと考えています。
ただし現在の市長の任期は 2021 年 8 月 29 日までで、丁度 2 年後にまた選挙があります。仮に署名集めが間に合わない場合は、次回の選挙で反対の人を選ぶ手もあります。
ただし、これは最後の手段ですが。
(2019-8-26)
2019 年の 9 月頃は以上のようなことを考えていたのですが、その後朝日新聞の横浜版に「IRのゆくえ」という記事が連載されるようになりました。
これには「IR誘致」に関連する記事が多角的に掲載されており、賛成派や反対派の動きがよく分かります。
それでこの記事を読み、各種団体が主催する講演会に参加していろいろ勉強しました。しかし、最終的に「カジノ誘致」を止めるには「市長をリコールする」しかないと考えるに至り、現在では「1人から始めるリコール運動」の受任者として協力しています。
事情が分かってくるにつれて、いろいろ問題点が見えてきました。
・カジノ反対で活動しているグループが他にもありますが、一本化されていません。たとえば、あるグループは市長リコールではなく、住民投票の直接請求を目指しています。これは6万2千人の署名で済むため、取りかかるのは楽ですが、市議会で過半数を占める自民党と公明党に否決されるに決まっていますから、無駄な努力で終わるでしょう。バラバラに活動していてはダメなことは誰でも分かるはずですが。
・また公明党の動きが理解できません。世論調査では公明党の女性支持者は「カジノ反対」が非常に多いと聞いています。それなのになぜ、彼らは反対しないのでしょうか。
・さらに、横浜には多数の知識人や文化人がお住まいですが、彼らが何も発言せず、沈黙しています。彼らは、横浜を「わが町」と考えていないのでしょうか。
(2020-1-8)