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僕は未だに Windows 7 を使っています。Windows 7 を使い始めた頃から、メーラーにはWindows Live Mail(以下、WLM )を使っていますが、プロバイダー(odn)がセキュリティ強化のため、メールの送受信方式を(POP/SMTP over SSL)に一部変更しました。数ヶ月前からアナウンスがあって、僕もそれなりに準備はしてきましたが、遂に8月下旬から、Windows Live Mailが機能しなくなりました。
odn の担当者は、サポート期間が終了していないOSのPCに買い換えて、それにあったメーラー(Outlook など)に変更するように勧めていますが、PCの買い替えは簡単には決断できません。お金のことよりも、データの移行の手間が大変ですからね。
それで、Windows 7 のままで使えそうなメーラーを探した結果、Thunderbird が使えそうなことが分かりました。このメーラーはodn も推奨しています。
インストールしたのは、Thunderbirdの最新版ではなく、Thunderbird 78 のWindows 32 ビット版です。
以下のサイトはThunderbird の最新版だけでなく、過去のバージョンもダウンロードできるようになっているので、このサイトから目的のバージョンをダウンロードできました。こういうサイトがあるのは有難いことですね。
https://gingdesign.com/blog/firefox-thunderbird-oldver/
メールの接続設定はodn が送ってくれたデータを基に行ったので無事終了し、メールの送受信が正常に行えるようになりましたが、Windows Live Mailに比べると、使いにくい個所がいくつかあります。
最初に困ったのは、宛先の入力方法です。
WLM では下図の「宛先:」をクリックすればアドレス帳が立ち上がり、そこで送りたい人の名前をクリックして「To」「CC」「BCC」などに振り分ければ簡単に入力できます。
ところが、Thunderbird ではこれが簡単にできません。
下図はメールを作成する状態の入力画面ですが、宛先欄に送信先のメールアドレスをイチイチ入力しなければなりません。
アドレス帳にある1人だけに送る場合は、その名前の上で右クリックして「作成」をクリックするだけで、その人を宛先に設定したメールが作成できます。しかし複数の人を宛先欄に入力する機能はありません。複数のアドレスを入力するには、アドレス帳から一人ずつアドレスをコピーして宛先欄に貼り付けるしかなく、実に面倒です。
こんな面倒な作業なんかやってられない、もっと上手い方法があるはずだと思って調べてみると、アドオンを使う方法が見つかりました。
Thunderbird の右上にある「ツール」をクリックすると、Thunderbird 用のアドオンが表示されるので、ここで「Mail Merge」というアドオンを探します。これをインストールすることで、複数の送信者のアドレスをまとめて宛先欄に入力できるようになります。
ただし「Mail Merge」とThunderbird とのバージョンが一致しないとインストールできません。Thunderbird 78の場合はOKでした。
アドオン「Mail Merge」がインストールされていると、アドレス帳でCTRL キーを押しながら複数の名前を選び、右クリックして「作成」を選ぶと、上の図のように複数のアドレスが宛先欄に入力されたメールを作成できます。
たとえば、Aさん、Bさん、Cさんの3人にメールを送り、その内、Aさんは「To」BさんとCさんは「CC」欄で送る場合は、A、B、Cの3人のアドレスを宛先欄に入力した後、BさんとCさんをCC欄にドラッグします。
これで、一つ問題をクリアできましたが、メールを転送する場合はやはりアドレスを貼り付ける必要があり面倒です。
こういう不便な機能がどうして改善されないのか疑問です。
メールの機能で重要なものの一つに、迷惑メール対策があります。
これに関しては以下のサポートページを参考にしながら、慣れるように努めています。
https://support.mozilla.org/ja/products/thunderbird
Thunderbird が使えるかどうか、判断するにはもう少し時間がかかります。
横浜旧市庁舎を三井不動産他の企業グループに7700万円で売却するという横浜市の決定に対して異議を申し立てる行政訴訟が進んでいます。
訴訟の提訴は2020年6月9日で、原告は太田正孝市議(当時)と井上さくら市議です。その後、2021年5月27日に約80人の市民が集団でこの訴訟に加わりました。この集団訴訟は原告の訴訟に併合されて、後から参加した原告約80人は原告参加人と呼ばれています。
僕はその一人です。
原告団として参加する以前に、僕は数回この裁判を傍聴したのですが、実際に傍聴してみて、驚きました。
テレビの法廷ドラマでは、通常、原告と被告が法廷で丁々発止の議論を展開するのですが、行政訴訟は全く違います。
原告と被告が大した会話をせず、裁判長と原告側弁護士と被告側弁護士が、前の方で小声で話し合いをして、では次は何月何日にしましょうか、それでよいですか、と双方のスケジュールを確認し合って、それで終了です。時間にしてせいぜい20分です。
え、これが裁判なのか?というのが最初の感想でした。
その後に分かったことは、双方は書類で議論を戦わせており、その書類は、原告、被告、裁判所の3者にしか渡されません。したがって公判当日は特に議論することはなく、傍聴するだけの人には何が議論されているか分からないということです。
ところが、途中から原告参加人になったことで、過去の審議内容が送られてくるようになりました。
過去1年分の審議内容を読んでみると、原告側が結構善戦しているように感じます。
例えば、澤野弁護士(横浜の馬車道に事務所を構えている著名な弁護士で、法学博士でもあり不動産鑑定士でもある)が意見書を提出しており、横浜市が依頼した不動産鑑定書の鑑定方法が全くおかしいと手厳しく批判しています。
それに対して、被告側は価格の妥当性については一切言及せず、価格算定は適切なプロセスで行われたと、価格決定プロセスに瑕疵はないと主張するのみです。
僕はこれらの書類を読んでみて、素人なりに、もし裁判官がこの意見書をちゃんと読んでくれるのなら、この裁判は勝てる可能性が高いと感じています。
ただし、途中から、原告参加人の主張に問題が多いことが気になってきました。
建物価格や借地料が低額すぎるとの主張は当初からのもので、参加者全員に異論はありません。しかし、根拠法が不明のまま、それ以外のことも主張し始めたのです。
たとえば、旧市庁舎建物の文化的価値を無視している、跡地に高層ビルを建てるのはけしからん、などです。
旧市庁舎は村野藤吾さんという著名な建築家が設計した建物であるから、文化財として残すべきであるという主張です。しかし、建築学的には価値があるのかもしれませんが、ジャックの塔、イタリア山庭園の外交官の家のように歴史的・文化的価値があるとは一概には言えないでしょう。貴重な建物だからという理由であの場所に残すべきかどうか、意見の分かれるところです。
僕は横浜の風景をスケッチする会に所属していますが、これまで、旧市庁舎をスケッチした人を見たことは殆どありません。つまり一般市民は、それほどの建物とは認めていないということです。
その後の経緯を見ていますが、どうも主張が発散傾向で、この先どうなることやら、心配しています。
(2022-9-3)