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「毎日が酔曜日」http://wwwykk.sakura.ne.jp/
編集:大田拓、更新:2023 年 12 月 31 日

横浜山下ふ頭の再開発計画


1.山下ふ頭の再開発検討委員会

前市長(林)の時代に安倍→菅ルートで横浜の山下ふ頭にIRを誘致する計画が持ち上がりました。その後市民のカジノ反対運動が盛んになり、最終的にはカジノ反対派の市長が誕生し、IR導入計画はとん挫しました。
あれから約2年になりますが、ようやく再開発検討委員会がスタートしました(この間、何をしていたのかとの疑問はありますが)。
メンバーは寺島実郎さん(日本総研)、涌井史郎さん(東京都市大)、幸田雅治さん(神奈川大学)など12人で、寺島さんが委員長です。

寺島さんは「サンデーモーニング」でメインキャスターの隣に座って、大所高所から本質的な事をズバッと話される人なので一目置いていましたが、実は「IR推進協議会」の共同代表でした。

2.IR推進協議会

IR推進協議会については(https://www.travelvoice.jp/20150501-42222)に説明があり、 「総合型リゾート(IR)推進協議会
このほど、日本国内への総合型リゾート(Integrated Resorts : IR)導入を目指す「IR(統合型リゾート)推進協議会」が設立された。寺島実郎氏、新浪剛史氏が暫定共同代表としてIR導入に向けた国内の理解促進など環境づくりを推進する。また、IR導入に向けた法制度の成立に向けて諸政策の研究や提言を実施。関連する諸機関・団体・個人との横断的なネットワーク構築し、国民への普及啓発や認知拡大に取り組む方針だ。」とのことです。

この総合型リゾート(IR)推進協議会は、国会で(IR整備法・カジノ整備法)が成立する(2018年7月)3年前に設立されていますから、寺島さんはIR導入の張本人ですね。 こういう人がなぜ横浜山下ふ頭の再開発計画検討委員会の委員長なんでしょうか。横浜市は山下ふ頭にIRを誘致する考えをまだ捨てていないのでしょうか。

第2回目の検討委員会の議論は以下のサイトから YouTube で見ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=OzGfV39Pd1I
錚々たるメンバーが歴史的、地政学的、産業政策的な視点から議論しています。
寺島委員長は「この検討委員会では方向性を決めるだけ」と言っていましたが、これはカジノ反対の横浜市民から「寺島辞めろ」と批判されて辞任を余儀なくされることを恐れて「IRまで踏み込まない」と宣言したつもりなのかもしれません。

3.横浜市への提言

検討委員会の議論を聴いて、一市民として横浜市の街づくりがこうあってほしいという私の考えを(HPから)横浜市に提言しました(一部省略して要点のみ記述します)。

横浜港は港湾施設として地政学的な要因で世界の流れに追いつけないため、山下ふ頭に「にぎわいによる集客機能」を持たせようということのようですが、しかし集客機能であれば何でもよいというものではありません。
以前に議論され(未だくすぶり続けている)IR導入計画は、1兆円規模の初期投資が行われるので、短期的には地元の経済を潤す効果はあります。そして完成すればそれなりの集客効果はあるでしょう。しかしIRの中心であるカジノでは日本人の財産が海外資本に搾取される仕組みになっており、いずれは日本人の富が奪われ、長期的には国力の衰退を招きます。集客効果はあっても、長期的に国力の衰退を招くものは横浜の衰退にもつながります。集客機能なら何でもよいというものではありません。
横浜の隣には、にぎわいの要素がすべて整っている東京があるため、にぎわいによる集客力では東京には勝てません。また横浜には美術館や博物館は数えるほどしかなく、東京には比べ物になりません。横浜はにぎわい集客力でも文化的な魅力による集客力でも東京に大きく劣っています。

以上の観点から、横浜の街づくりの方向性として私は以下の2点を提案します。
(1)落ち着いた街づくりを目指してほしい
私は、横浜の街づくりの方向として、賑やかなニューヨークではなく、ボストンのような落ち着いた街を目指してほしいと考えています。文化的で落ち着いた街の魅力で集客力を発揮できる街を目指してほしいと思います。
(2)将来の横浜市民を増やそう
子供たちは(他都市の子供であっても)将来の横浜市民であると考えましょう。今後の人口減少は不可避ですが、その中で横浜の少子化の度合いを全国レベルよりも小さくする施策として、新しく開発するこれらの施設(山下ふ頭や上瀬谷の施設など)では、横浜の子供たちや他都市の子供たちに繰り返し来たいと思わせるものにしてください。
たとえば、子供たち専用の小規模サッカー場や小規模な野球場、屋内競技施設を何面も作り、子供たちが自由に使える施設にするなどはいかがでしょうか。

最後に山下ふ頭再開発検討委員会のメンバー構成について:
以前に名古屋造形大学学長だった山本理顕さんを検討委員会のメンバーに加えてほしいと思います。
本人に確認しましたが、横浜市から呼ばれれば喜んで参加します、とのことでした。 (以上)
(2023-12-31)



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