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「毎日が酔曜日」http://wwwykk.sakura.ne.jp/
編集:大田拓、更新:2025 年 2 月 20 日

トランプ2.0、山下埠頭再開発のことなど


1.手書きで文字を書こう

僕は Windows 98 の時代からパソコンを使っていますから、パソコンを使い始めて25年以上になります。それ以前は文字は当然手書きでしたが、PCを使うようになって殆ど手書きをしなくなりました。おかげで手書きで文字が書けなくなり、書いてもミミズが這ったような文字しか書けません。

約5年前に「こんなことではいかん」「手書きで文字を書こう」と決心をし、万年筆を購入しました。値段は2,3万円のものだったと記憶しています。
最初はその年の年賀状に使うことを想定し、毎日少しずつ、万年筆で天声人語を書き写す練習をしましたが、やり過ぎたのか右手が腱鞘炎にかかってしまい、半年間ほどペンが握れない状態が続きました。

最近たまたまですが、「楽しい万年筆画入門」という本を読んで(古山浩一著)、万年筆の素晴らしさを理解しました。
知ってる人には当たり前の事でしょうが、万年筆は筆圧が要らないことを知りました。僕は鉛筆の時代から筆圧は強い方で、そのため、万年筆でも強い筆圧で書いていたのですが、本によると万年筆はペン先が紙に触れるだけでインクが出る構造になっているため、ボールペンのように力を入れる必要はなく、手も疲れないのだそうです。
僕はそれを知らず、強い筆圧で書こうとしたため、腱鞘炎で右手を痛めたということです。

万年筆に関して驚いたことは、その昔のペン先にインクを付けて書く方式から、今日の万年筆に移行するまで、実に100年もかかったということです。一見簡単に出来そうですが、毛細管現象を利用してインクがペン先に誘導される仕組みが完成するまでに多くの人達が苦労をされたということです。

2.最近のさまざまな筆記具

Sailor が販売している「ふでDEまんねん」という筆記具は、万年筆ですが、ペン先に工夫があって、書く時のペンの角度を変えることで線の太さを変えられます。早速買ってみましたが、2000円くらいでした。ペンを立てると細い線が書け、ペンを45度くらいに寝かせると太い線が書けます。普通の文字を書くにはこの機能は不要ですが、万年筆で絵を描こうとすると役に立ちます。

もう一つ面白い筆記具は「プラマン」です。
これはPentel が販売している筆記具で1本500円くらいです。この筆記具は「プラスティックで作った万年筆」と言えば分かりやすいでしょう。
一般の万年筆のペン先は高価な金属製でそのために万年筆全体が高価になるのですが、プラマンのペン先はプラスティック製です。その分安くできますが、それだけでなく面白い性質があります。つまり、ボールペンではできない文字の終わりをハネル、止めるなどの書き方ができます。つまり、万年筆のような書き味ができるペンだということです。
(上)Sailor の通常の万年筆(中)Sailor のふでDEまんねん(下)Pentel プラマン

僕は筆記具のことにあまり関心がなかったのですが、日本のメーカーって凄いと思います。こういう細かいところに知恵を絞って良い製品を出すことに必死に戦っている人たちがいます。こう言う点が日本の産業力の凄さの原点のように思います。
彼らの努力を広く知ってもらうために、NHKの「新プロジェクトX」で採りあげてくれないでしょうか。

3.ふざけた山下埠頭再開発検討委員会

IR誘致騒動の結果、市長がカジノ推進派の林氏からカジノ反対派の山中氏に交代しました(3年半前)。その後IR誘致騒動の反省に基づいて「横浜山下埠頭再開発検討委員会条例が制定されました(2023年2月)。この条例に基づいて市長の付属機関として「山下埠頭再開発検討委員会」が設置されました。
これが約1年半前のことで、あれ以来、十数人の委員による山下埠頭再開発検討委員会が不定期に開催され、昨年12月に委員会が答申案をまとめました。

僕は大きな関心を持って、山下埠頭再開発検討委員会の議論をYouTubeで視聴してきました。
当初は、果たして議論がまとまるのか不安でしたが、第5回目の頃から建築家の隈さんらの斬新な提案があり、これは良いものが出きそうだと期待が膨らんできました。
特に注目していた点は神奈川大学の幸田教授の「市民参加」の提案です。詳細を略して言えば、計画を策定した後で市民の声を聞くのではなく、計画を策定する段階で市民を参加させて市民の声を聞く方式です。 IR問題がなぜ起こったかと言えば、役人の独走を誰も止められなかったからです。役人の独走を阻止するにるには計画策定の段階から民が参加することです。僕はこの市民参加議論の行く末に大いに期待しました。

そして最後の(第6回)検討委員会は、市民参加の観点からもう少し議論を深めるべき段階に来ていたのですが、委員長が「多数決」で市民参加の議論を葬ったのです。 これを見て唖然としました。
平尾委員長に「裏切られた」と思いました。このご老人は昭和女子大の名誉理事で、どれほどの人物かは知りませんが、最後の所で晩節を汚しました。

しかし戦いはこれで終わりではありません。
折角カジノを止めたのに、またまた山下埠頭におかしな建物を作れるような答申案が出されたのでは、これまでの努力が無駄になります。
今年の8月には市長選挙があります。今、仲間と今後の戦い方を相談しています。

4.トランプ2.0

トランプ氏が大統領になってまだ1か月もたたないのに、世界中が翻弄されています。トランプと言う男の一言で、世界中が右往左往する状態は全く異常で、アメリカ国民がどうしてこんな男を選んだのか理解できません。
僕が酷いと思うのは、LAでの山火事やNY近郊の飛行機事故を民主党政権のせいにして、責任転嫁しようとしていることです。 特に飛行機事故では管制官が少ないのが原因だったのに、バイデン政権が推し進めてきたDEI政策が原因だと、理屈にもならない理由で前政権を批判しつづけています。
さらに、友好国への度の過ぎた干渉です。カナダ、グリーンランドへの言いがかりにも等しい関税圧力、WTOからの脱退、国際的な人権擁護機関への拠出停止など、戦後80年かけて築きあげたアメリカを中心とした世界の民主国家連合を、トランプは1人で壊そうとしています。

これに関して思い出すのは、故安倍氏も「悪夢の民主党政権時代」という言葉を良く使っていました。最近、アベノミクス批判の本をよく読みますが、それによるとGDPはむしろ民主党政権時代の方が第2時安倍内閣時代よりも高かったそうです。しかしそれではまずいので、GDPの計算方法を変えて見かけ上GDPが民主党時代よりも下がらないようにしたそうです。
根拠なく前政権をこきおろすところは、トランプも安倍氏も共通しています。
この二人が相性が良かったのは、根本的な人間的な歪み(欠陥)が共通していたからでしょう。

昨年の大統領選挙はトランプ氏の圧勝だったと言われていますが、あれは「勝者総取り」方式の選挙制度のせいで、得票率ではカマラさんと僅差だった(51%対49%)そうです。 つまり共和党を支持している人達とほぼ同数の人達が民主党を支持しています。
今後、トランプの自国第一主義でアメリカが孤立し、アメリカ人の生活が良くならないことが明らかになれば、支持率は逆転します。2年後の国政選挙で民主党が勝てば、トランプは何も出来ない状態になります。その時を一日千秋の思いで期待しています。
大半のアメリカ人が今は大人しくしているように見えますが、アメリカ人は日本人ほど従順ではありません。WaterGate事件を徹底追跡してニクソンを失脚させたあのアメリカ人ジャーナリズムは今も健在のはずと確信しています。
(2025-2-20)



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